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窓ガラスの熱割れとは?

  • 執筆者の写真: harerutech
    harerutech
  • 1月21日
  • 読了時間: 4分

更新日:1月28日

ガラスの熱割れ

近年、夏場の気温上昇で「窓ガラスのひび割れ」が報道で取り上げられています。

この「ひび割れ」はなぜ起こるのでしょう。窓ガラスのひび割れ=熱割れについて、窓ガラスの熱割れの原因と窓フィルムを貼った時の関係につて解説いたします。


窓ガラスの熱割れメカニズム

熱割れ現象

熱割れ現象

窓ガラスのうち日射が直接当たる部分は、吸熱して高温となり膨張します。一方、ガラスの周辺部はサッシに呑み込まれているため日射を受けず、またサッシや機体(くたい) への放熱もあり、低温のままになり 膨張しません。このため、高温部の熱膨張を周辺部が拘束する状態になります。

これをガラス内部の力の状態でいうと、ガラス周辺部に引張応力が発生していることになります。

この引張応力(熱応力)が、直接当たる部分と周辺部との温度差に比例し、ガラスの周辺強度を超える引張応力が発生するとガラスが破壊します。 この現象を一般に熱割れと呼んでいます。  


熱割れの特徴

熱割れは基本的には、ガラスが日射を受けた高温部と周辺の低温部との温度差が著しい場合に発生すしますが、ガラス窓の施工状態が悪く周辺強度が低下している場合には、さらに発生し易くなります。また、熱応力の大きさは、窓の方位やガラスの品種、ガラスの使われ方によって違いがあるほか、日影の状態、カーテンの影響、サッシの取り付け状態、ガラスの大きさにも左右されます。以下に、ガラスの熱割れの主な特徴を示します。

熱割れの特徴

1.ガラスの熱割れが発生しやすいのは、冬

期の晴れた日の午前中です。

  特に建物の東面や南面への日射量が大きくなる一方、サッシ周辺の温度は低下しているので、高温部と低温部の温度差が広がり、熱応力も大きくなります。


2.ガラスの熱割れは、左図のように、ガラスの周辺から始まり、まず周辺に直角に走り、その後蛇行していくことが特徴です。


3.ガラスの熱割れには、ひびが1本だけ入る非分岐破壊と、ひびが2本以上入る分岐破壊とがあります。 (右図(a)(b))



非分岐破壊は、一般に、小さな熱応力で熱割れが発生したことを示す。

分岐破壊は、比較的大きな熱応力で熱割れが発生したことを示す。


網入り板ガラスの熱割れ

網入りガラスの熱割れ

特に網入りガラスについては、網を封入しているため、周辺強度がフロート板ガラスなどに比べて低くなります。また、排水機構が機能しないなどの理由により、雨水などがガラス周辺に滞留すると、周辺部分の線材を錆びさせ、その体積膨張によってエッジ強度が低下することがあります。

これにより窓ガラスの熱割れが発生します。窓ガラスフィルムを貼り付けると熱割れのリスクが大きくなる場合があります。





熱割れの防止策

基本的には、切断・施工を良好に行い、ガラスの周辺強度を低下させない工夫をし、ガラスの温度をできるだけ高くしないことが必要です。

具体的な対策としては、

1. 窓際にダンボールなどを積まないこと

2. ブラインドを密着させないこと

3. クーラーの室外機等を密着させないこと

4. 冷暖房用のエアーをガラスに直接当てないこと

などにより、ガラス近傍で熱がこもらづ、ガラス面内の温度ムラが出ないようにすることが必要です。



熱割れの災害の事前対策

窓ガラスの熱割れはどの窓ガラスでも起きる可能性があります。

熱割れそのものは防げませんが、窓ガラスフィルムを貼ることで割れによる破片の飛び散りなどを防止することはできます。熱割れによって窓ガラスにヒビが入り、何かの拍子で破損しても怪我に繋がらず安心できる対策が必要です。

しかし、窓ガラスフィルムを貼ることでの熱割れリスクは大きくなります。フィルム施工専門店では、事前のリスク判定を行い問題ないことを確認しフィルムの施工を行います。



フィルム施工前の熱割れリスクの判定

熱割れリスク判定は、窓ガラスを使用している条件(窓ガラスの種類・サイズ・方角・影のでき方等)や施工するフィルムの光学特性など様々な情報を元にシュミレーションを行い判定しを算出します。(保障値ではなく参考地となります。)

これによりご要望フィルムの施工可否を判定し 熱割れリスクを低減いたします。




窓ガラスの熱割れはどのガラスにも起こりえるもです。日々の生活の中で、少しでも対策を行い、熱割れの発生を防ぎましょう。



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